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採用DX完全ガイド|AI活用で採用をアップデートする7つの新常識と成功のポイント
この記事の執筆者:林 賢志株式会社アド・イーグルホールディングス所属。これまで1000社以上のクライアントに対し、Indeed運用を含む採用コンサルティングを提供。データに基づいた戦略的な採用改善を得意とし、数多くの企業の採用課題を解決に導いている。 |
1. 2025年、採用DXはなぜ「待ったなし」なのか?
2025年の採用市場は、私たち採用担当者にとって大きな転換点にあります。
厚生労働省が2025年6月末に発表した最新の有効求人倍率(5月分)は1.24倍と依然として高く、企業間の人材獲得競争は激化の一途をたどっています(※1)。一方で、株式会社マイナビの調査(2024年6月実施)によると、2025年卒の大学生・大学院生の内定率は78.5%に達しており(※2)、優秀な人材ほど早期に採用市場から姿を消す傾向が強まっています。
「応募は来るが、欲しい人材に出会えない」 |
もし、一つでも当てはまるなら、それは従来の採用手法が限界に来ているサインです。この記事では、こうした課題を根本から解決する「採用DX(デジタルトランスフォーメーション)」について、その本質から具体的な実践法、そして成功の秘訣までを徹底的に解説します。
(※1) 出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年5月分)について」
(※2) 出典: 株式会社マイナビ「マイナビ 2025年卒 大学生活動状況調査 (6月15日時点)」
2. そもそも採用DXとは? 基本を1分でおさらい
導入解説として、採用DXとは、単にツールを導入することではありません。AIやデータを活用して、採用活動のプロセス全体を「勘や経験」から「戦略的な意思決定」へと変革することです。
3. 採用DXがもたらす5つの主要なメリットと、その実現条件
採用DXを導入することで、企業は具体的にどのような未来を手にできるのでしょうか。ここでは5つのメリットを、具体的な事例と成功の条件を交えてご紹介します。
1. 採用業務の効率化
応募者対応や面接調整といったノンコア業務を自動化し、担当者が「候補者との対話」というコア業務に集中できる環境を創出します。実際に、ある飲食チェーンでは面接日程調整ツール「面接コボット」を導入し、1日30分かかっていた調整業務を5分に短縮したという事例があります。
実現の条件:ただし、そのためには自社の業務フローを事前に整理し、どの部分を自動化するのが最も効果的かを見極める必要があります。
2. マッチング精度の向上
AIが候補者のスキルや経験、価値観を分析し、自社にフィットする人材を客観的に推薦。これにより、採用のミスマッチを劇的に減らします。世界的な消費財メーカーであるユニリーバ社は、AIによる適性評価やゲーム形式の選考を導入し、候補者の多様性と質の両方を高めることに成功しています。
実現の条件:AIの推薦を鵜呑みにせず、最終的には人の目で判断するプロセスを残し、AIと人間の協業体制を築くことが不可欠です。
3. 採用コストの最適化
自社の採用サイトを強化し、求人媒体への依存度を下げることで、広告費を大幅に削減できます。リクルートが提供する「Airワーク 採用管理」のような無料ツールを活用すれば、コストをかけずにIndeedなど複数の求人サイトに情報を届けることも可能です。
実現の条件:自社サイトへの継続的な情報発信(社員インタビューなど)と、SEO対策を並行して行うことで、初めて広告費依存から脱却できます。
4. データドリブンな戦略立案
「どの求人媒体からの応募が採用に繋がりやすいか」「面接の通過率はどの段階に課題があるか」といったデータを可視化。勘に頼らない、データに基づいた改善サイクルを回せるようになります。
実現の条件:データを収集するだけでなく、定期的に分析し、次のアクションに繋げるための会議体を設けるなどの仕組み作りが重要です。
5. 候補者体験(CX)と企業価値の向上
スムーズで迅速な選考プロセスは、候補者に「この企業はしっかりしている」という良い印象を与えます。パーソル総合研究所の調査(2024年4月)によると、就職活動において企業の選考ステップや対応に不満を感じた学生は6割を超えています(※3)。優れた候補者体験は、この厳しい競争の中で選ばれる企業になるための重要な要素です。
実現の条件:自動化による効率と、人間による丁寧なフォローのバランスを取ることが、最高の候補者体験を生み出します。
(※3) 出典: パーソル総合研究所「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」
4. 要注意!採用DXで陥りがちな3つの落とし穴と回避策
輝かしいメリットの裏には、知らなければ必ず失敗する「落とし穴」があります。ここでは、私たちが1000社以上を支援する中で見てきた、特に多い3つの失敗パターンと、その回避策を解説します。
落とし穴①:ツールの導入が目的化してしまう
- 【症状】 最新ツールを入れたものの、現場が使いこなせず、かえって業務が煩雑になる。
- 【回避策】 まずは「何を解決したいのか(例:日程調整の手間をなくしたい)」という目的を明確にしましょう。そして、現場の担当者と一緒に、操作がシンプルで分かりやすいツールを選ぶことが重要です。
落とし穴②:費用対効果が見合わない
- 【症状】 高額な多機能ツールを導入したが、機能の半分も使わず「宝の持ち腐れ」になる。
- 【回避策】 スモールスタートが鉄則です。多くのツールには無料プランやトライアル期間があります。まずは無料で試し、効果が見込める業務にのみ、必要最小限のコストを投下しましょう。
落とし穴③:候補者への「人間的な配慮」が欠ける
- 【症状】 自動化を進めすぎた結果、不採用通知が冷たい定型文で送られ、SNSで炎上。企業の評判を落とす。
- 【回避策】 「効率化すべき事務作業」と「人の心が介在すべきコミュニケーション」を切り分けましょう。日程調整は自動化しても、面接後のフォロー連絡は担当者の言葉で送るなど、温かみのある対応が候補者体験(CX)を高めます。
【1000社以上を支援した林からのワンポイント】 多くの企業様が陥るのが「機能の多さ」でツールを選んでしまうことです。重要なのは「自社の最も大きな課題一つを、最もシンプルに解決してくれるか」という視点です。見栄えの良い多機能ツールより、現場が毎日ストレスなく使えるツールこそが、真のDXを実現します。 |
5. 明日からできる!採用DXの具体的な始め方3ステップ
- Step1:採用サイトを作成し、情報発信の「基地」を作る
まずは自社の魅力を伝える採用サイトを持つことから始めましょう。エン・ジャパンの「engage」や「Airワーク 採用管理」なら、無料で簡単に高機能な採用サイトを作成できます。 - Step2:応募者情報を一元管理する
複数の求人媒体からの応募者情報をExcelなどでバラバラに管理していませんか? リクルートの「ジョブオプ採用管理」のような採用管理システム(ATS)を導入し、情報を一元化するだけで、対応漏れや二重連絡といったミスが劇的に減ります。 - Step3:ボトルネック業務を特定し、ツールで自動化する
「面接の日程調整」に時間がかかっているなら、ディップ社の「面接コボット」のような自動調整ツールを。「Web面接の実施」が課題なら、「HARUTAKA」のような専用ツールを。自社の最も大きな課題(ボトルネック)を一つだけ解決することから始めるのが成功の秘訣です。
6. 【目的別】おすすめ採用DXツール8選|自社に合う選び方
数あるツールの中から、自社に最適なものを選ぶための観点と共に、代表的な8つのツールを目的別に分類してご紹介します。
※本記事での紹介はツールの優劣を示すものではなく、あくまで皆様が比較検討する上での参考情報です。
A. 採用サイト作成・求人掲載
ツール名: Airワーク 採用管理
特徴: 無料から利用可能。Indeedと連携し、手軽に求人掲載を始められる。
こんな企業に: コストをかけずに求人掲載を始めたい企業。
ツール名: engage
特徴: エン・ジャパンが運営。無料でも高機能で、若手採用に強み。
こんな企業に: 無料で採用サイトを作り、若手人材にアプローチしたい企業。
B. 統合型・採用管理システム(ATS)
ツール名: ジョブオプ採用管理
特徴: Indeed PLUSと連携。複数媒体からの応募者を一元管理したい企業に。
こんな企業に: リクルート系媒体を多く利用し、応募者管理を効率化したい企業。
ツール名: リクオプ
特徴: SEOに強い自社採用サイトを構築可能。アルバイト・パート採用に強み。
こんな企業に: アルバイト・パート採用が中心で、自社ブランドでの集客を強化したい企業。
ツール名: HRMOS採用
特徴: データ分析機能が豊富。データに基づいた戦略的な採用を実現。
こんな企業に: データに基づいた採用改善を継続的に行いたい企業。
ツール名: ジョブカン採用管理
特徴: 圧倒的なコストパフォーマンス。初めてATSを導入する企業に。
こんな企業に: 初めて採用管理システムを導入する中小・ベンチャー企業。
C. 特化型・選考効率化ツール
ツール名: HARUTAKA
特徴: Web面接・動画面接に特化。候補者体験の向上に強み。
こんな企業に: 遠方の候補者やZ世代の採用を強化したい企業。
ツール名: 面接コボット
特徴: 面接日程の自動調整に特化。応募者対応の工数を削減したい企業に最適。
こんな企業に: 応募者数が多く、日程調整業務に追われている企業。
7. まとめ:採用DXで一歩先の採用戦略へ
採用DXは、もはや一部の先進企業だけのものではありません。企業の規模に関わらず、未来の成長のために不可欠な経営戦略です。
本日ご紹介したポイントを参考に、まずは自社の課題を一つ見つけ、小さなステップからでも始めてみてください。その一歩が、5年後、10年後の企業の競争力を大きく左右するはずです。
採用DXの導入や採用戦略について、「自社の場合、具体的にどうすればいいのか?」とお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。1000社以上の支援実績から、貴社に最適なプランをご提案します。
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