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2025年最新|フレックスタイム制とは?
⏰ 働き方の柔軟化が進む中で注目!
フレックスタイム制とは、一定期間内の総労働時間を満たせば、従業員が自身で「出勤・退勤時間」を柔軟に決められる制度です。
2020年・2023年の法改正も経て、2025年現在、多様な業界で導入が拡大しています。
- ■ ポイント1:
月や数か月単位の「総労働時間」内で、日々の勤務時間を自己調整できる - ■ ポイント2:
コアタイム(必ず勤務する時間帯)とフレキシブルタイム(自由な時間帯)で運用 - ■ ポイント3:
IT・クリエイティブ職など、自律的な働き方に最適
メリット
- ワーク・ライフ・バランス向上
- 業務効率化・生産性UP
- 多様な人材の確保
注意点
- 勤怠管理の手間増
- コミュニケーション課題
- 業種によっては適用が難しい場合も
2025年の働き方改革を考えるうえで、フレックスタイム制の理解と活用は欠かせません。
次章では、基本的な仕組みや運用のポイントをより詳しく解説します。
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フレックスタイム制の基本概要
フレックスタイム制は、一定の「清算期間」内(例:1か月・3か月)で決められた総労働時間を満たせば、従業員が日々の始業・終業時刻、1日の労働時間を自分で決められる制度です。
例えば「1か月で160時間勤務」の場合、ある日は4時間・別の日は10時間など、業務やプライベートの都合に応じて調整可能です。
主な特徴
- 決められた「清算期間」内で労働時間を調整
- コアタイム(必ず勤務すべき時間帯)が設定される場合あり
- フレキシブルタイムは自由に出退勤を調整
従来制度との違い
- 固定勤務制は「始業・終業時刻」が決まっている
- フレックスタイム制は「自己決定」型
- チーム全体の効率化・ワークライフバランスに寄与
在宅勤務や副業の普及により、柔軟な働き方への関心が一層高まっています。
「成果重視」「自律型」への転換を図る企業が急増。IT・コンサル・研究開発などで普及が拡大中です。
日 | 勤務時間(例) | 調整ポイント |
月曜 | 4時間 | 子どもの用事で時短 |
火曜 | 10時間 | 繁忙日で長時間勤務 |
水曜 | 7時間 | 通常勤務 |
※総労働時間(例:1か月160時間)を基準に日ごとに柔軟調整
「働き方改革」や「人材確保」のキーワードとともに、フレックスタイム制は2025年も企業の注目制度です。
次は、なぜ今この制度が広がっているのかを解説します。
なぜ今フレックスタイム制が注目されているのか
2025年の働き方トレンドでは、多様な人材の活用と生産性向上が大きなテーマになっています。
その中で「フレックスタイム制」は、従業員一人ひとりのライフスタイルや業務特性に合わせて柔軟に働ける仕組みとして、導入企業が急増中です。
- ✔ 社会の変化:
少子高齢化・労働人口減少で「働きやすい職場づくり」が企業課題に。 - ✔ コロナ禍・DXの加速:
テレワークや副業解禁の流れで、時間と場所にとらわれない働き方が一般化。 - ✔ 企業の競争力強化:
柔軟な勤務制度の導入で、優秀な人材の採用・定着率アップに直結。 - ✔ 法改正への対応:
2020年の労基法改正で清算期間が最大3か月まで拡大。2023年から割増賃金率の引き上げ(60時間超)が中小企業にも適用されるなど、制度整備も後押し。
【導入率の推移(厚労省調査より)】
- 2020年:11.1%
- 2022年:13.1%
- 2024年:14.9%(推定/直近の調査動向より)
※従業員30人以上の企業が対象
「従業員満足度」と「企業の競争力強化」を両立できるフレックスタイム制。
次は、「裁量労働制・時差出勤制度との違い」を具体的に比較します。
裁量労働制・時差出勤との違い
「フレックスタイム制」「裁量労働制」「時差出勤」は、いずれも柔軟な働き方を可能にする制度ですが、対象や運用ルール、給与計算の仕組みが異なります。
制度名 | 労働時間の決め方 | 主な対象職種 | 残業代の扱い |
---|---|---|---|
フレックスタイム制 | 一定期間の総労働時間内で 出退勤・勤務時間を自己調整 |
IT・クリエイティブ・研究職など | 規定時間超は 割増賃金 |
裁量労働制 | 実労働時間ではなく 「みなし時間」で給与計算 |
専門職・企画職・コンサル等 | 原則、みなし時間で固定 (法定を超えれば割増) |
時差出勤 | 始業・終業時刻を選択できるが 1日の労働時間は固定 |
全業種(導入の幅が広い) | 原則、 通常勤務と同じ扱い |
フレックスタイム制の特徴
- 総労働時間内で自己調整
- 勤怠管理が必要
- コアタイム設定あり/なしを選べる
裁量労働制の特徴
- 業務の成果で評価
- 実際の労働時間は問わない
- 適用職種が限定される
時差出勤の特徴
- 1日の労働時間は固定
- 始業・終業時刻のみ選択
- 導入・管理がシンプル
柔軟な働き方を導入する際は、自社の業務内容や従業員の希望に応じて制度を選択・組み合わせることが重要です。
次は「フレックスタイム制の仕組みと種類」について詳しく解説します。
フレックスタイム制の仕組みと種類
フレックスタイム制には、法令上のルールと各社の運用実態に基づいた基本的な枠組みとバリエーションがあります。
制度設計の理解が、スムーズな導入とトラブル防止のカギです。
フレックスタイム制の主な構成要素
- ① 清算期間:
総労働時間を調整する単位。1か月〜最大3か月まで設定可(2020年法改正)。 - ② コアタイム:
「必ず勤務しなければならない時間帯」。例:10:00~15:00など。 - ③ フレキシブルタイム:
コアタイム以外で、出退勤時刻を自由に設定できる時間帯。
標準的なフレックスタイム制
- コアタイム・フレキシブルタイム双方を設定
- 例:コアタイム10:00〜15:00
- 清算期間は1か月が主流
スーパーフレックスタイム制(フルフレックス)
- コアタイムなし。全時間帯がフレキシブルタイム
- 最大限に自律的な働き方を実現
- 特にIT・研究職などで普及
【清算期間の例】
1か月型 | 月末締めで160時間 |
3か月型 | 3か月で480時間(各月の繁閑に合わせ調整可) |
※2020年労基法改正で「最大3か月」まで設定可能
次は「清算期間」「コアタイム」「フレキシブルタイム」を個別に詳しく解説します。
清算期間とは(法改正・最新ルール)
清算期間とは、フレックスタイム制で労働時間を調整できる期間のこと。
2020年の法改正で、最大3か月まで延長できるようになり、企業の柔軟な働き方推進が進みました。
法改正のポイント(2020年)
- 従来「1か月以内」→最大3か月に拡大
- 業務の繁閑やプロジェクト単位で調整可能
- ただし、3か月超は違法になるため要注意
企業・従業員のメリット
- 閑散期・繁忙期に応じた柔軟なシフトが可能
- まとめて有給取得やワークライフバランス向上に貢献
- 突発的な休みにも対応しやすい
【清算期間の設定例】
パターン | 期間 | 総労働時間 |
---|---|---|
1か月型 | 4月1日~4月30日 | 160時間 |
3か月型 | 4月1日~6月30日 | 480時間(160×3) |
※期間終了時に総労働時間を清算し、不足・超過があれば精算
清算期間や労働時間数の設定は就業規則や労使協定で明確に定める必要があります。設定誤りや説明不足はトラブルの原因となるため、必ず公式ガイドや社会保険労務士に確認を。
参考:厚生労働省|フレックスタイム制に関するQ&A
次は、コアタイムとフレキシブルタイムについて具体的にご紹介します。
コアタイムとフレキシブルタイム
フレックスタイム制の運用には、「コアタイム」と「フレキシブルタイム」という2つの時間帯の設定がポイントです。
それぞれの特徴や実際の運用例をわかりやすく解説します。
コアタイムとは
- 必ず勤務すべき時間帯(例:10:00〜15:00)
- 会議やチーム連携を確保するために設定
- 企業や部門ごとに自由に決定可能
フレキシブルタイムとは
- 出退勤の時間を自由に設定できる帯域
- 例:7:00〜10:00、15:00〜20:00など
- 通勤ラッシュ回避や生活リズムに合わせた調整が可能
【運用例】
時間帯 | 区分 | 内容 |
---|---|---|
7:00〜10:00 | フレキシブルタイム | 早めの出勤や時差出勤が可能 |
10:00〜15:00 | コアタイム | 必ず全員が勤務 |
15:00〜20:00 | フレキシブルタイム | 早上がり・残業の調整など |
※コアタイムを短縮・撤廃(=スーパーフレックス)する企業も増加傾向
コアタイムが長すぎるとフレックスのメリットが薄れるため、業務実態に応じて最適な時間設定を検討しましょう。
コミュニケーション課題には、会議予約システムやチャットツールの活用もおすすめです。
次は、コアタイムを設けない「スーパーフレックスタイム制(フルフレックス)」について解説します。
スーパーフレックスタイム制(フルフレックス)とは
スーパーフレックスタイム制(フルフレックス)とは、コアタイム(必ず勤務すべき時間帯)を設けず、すべての時間帯をフレキシブルタイムとする制度です。
出退勤や労働時間を従業員が完全に自己裁量で調整できるため、さらに柔軟な働き方が実現します。
メリット(導入効果)
- チーム・個人ごとに最適な働き方を実現
- 通院や家族対応、自己啓発など多様な生活に対応
- 副業・リモートワークとの併用もしやすい
注意点・導入時の課題
- コミュニケーションや会議調整が難しくなりやすい
- 勤怠管理・労働時間の記録がより重要
- 制度浸透や従業員教育の徹底が必須
【スーパーフレックスの勤務イメージ例】
曜日 | 出勤時間 | 退勤時間 | 業務内容・調整例 |
---|---|---|---|
月曜 | 8:00 | 17:00 | 通常業務 |
火曜 | 12:00 | 21:00 | 家族の送迎対応で遅めの出勤 |
水曜 | 7:00 | 16:00 | 朝活・早出業務 |
※日によって勤務時間帯を完全に調整できる
次は、フレックスタイム制のメリット・デメリットについて解説します。
フレックスタイム制のメリット・デメリット
フレックスタイム制は、企業にも従業員にも大きなメリットをもたらす一方で、運用上の課題も存在します。
ここでは「従業員側」「企業側」それぞれの視点からメリット・デメリットを整理します。
従業員側のメリット
- ワーク・ライフ・バランスの向上
- 通勤ラッシュを避けてストレス軽減
- 家族や自己都合に合わせた時間調整が可能
- 趣味・副業・学び直しの時間を確保しやすい
企業側のメリット
- 多様な人材の確保・離職率低下
- 業務繁閑に合わせた効率的な稼働
- 優秀人材の採用競争力アップ
- 生産性向上・残業削減
従業員側のデメリット・注意点
- 自己管理力が求められる
- 労働時間の記録・管理の手間が増える
- 勤務時間のズレによる連絡遅延やコミュニケーションロス
- オンオフの切り替えが難しい場合も
企業側のデメリット・注意点
- 勤怠管理システム等の導入コスト
- クライアント対応・営業時間との調整が必要
- 社内コミュニケーションの工夫が不可欠
- 制度の運用ルールを徹底しないとトラブルの原因に
フレックスタイム制のメリットを最大化するには、「制度設計」「勤怠管理」「周知・教育」「業務連携」が欠かせません。
課題を見極め、現場の声を取り入れながら運用を進めることが成功のカギです。
次は、フレックスタイム制の導入手順と実務ポイントについて詳しく解説します。
フレックスタイム制の導入手順と実務ポイント
フレックスタイム制を効果的に導入・運用するには、法令順守はもちろん、現場での実効性とトラブル防止の視点も欠かせません。
ここでは導入までの流れ・ポイントを分かりやすくまとめます。
- 対象従業員・コアタイム・清算期間・運用ルール等を具体的に記載
- 全社員に周知徹底
- 労働組合または従業員代表と合意し、協定書を締結
- 清算期間・労働時間・時間外労働の取扱い等を明記
- 勤怠記録や清算期間ごとの集計・管理ができるシステムを選定
- 従業員に運用ルールを研修・マニュアル化
- 対象業務・部署の適正判断:クライアント対応が多い職種などはシフト制等との併用も検討
- 制度設計と周知・教育:ルールの曖昧さ・認識のズレがトラブルの原因に。説明会・Q&A・相談窓口設置を推奨
- 業務の進捗・情報共有の仕組み化:会議・チャット・日報など、時差勤務でも円滑な連携を
項目 | 例 |
---|---|
清算期間 | 1か月・3か月(業務に応じて選択) |
コアタイム | 10:00~15:00(なしも可) |
フレキシブルタイム | 7:00~10:00、15:00~20:00 |
対象部署 | IT部門・研究開発部など |
※制度設計は業種・業態に応じてカスタマイズ必須
次は、フレックスタイム制の残業代・労働時間計算について詳しく解説します。
フレックスタイム制の残業代・労働時間計算
フレックスタイム制では、「日単位」ではなく「清算期間単位」で労働時間を管理します。
残業代や時間外労働の計算方法は通常の固定制と異なるため、正しい知識が不可欠です。
区分 | 内容・ポイント |
---|---|
清算期間内の総労働時間 | 例:1か月なら160時間、3か月なら480時間(160×3) |
時間外労働(残業) | 清算期間内で総労働時間を超えた部分(例:月161時間目以降) |
不足分 | 清算期間終了時に所定時間未満の場合、給与控除対象 |
※日ごとの長時間勤務・短時間勤務は、清算期間内で調整可能
- 清算期間内の総労働時間を超えた分は残業代(割増賃金)が発生
- 月60時間超の残業には、割増率50%が適用(中小企業含む)
- 休日労働・深夜労働も通常通り割増対象
- 勤怠システムで清算期間ごとに総労働時間・残業発生を自動集計
- 人事担当者は残業抑制の仕組みづくり(アラート・事前相談)も検討
- 給与計算担当者との連携・二重チェックも重要
3か月清算期間(総労働時間480時間)の場合:
- 3か月で480時間勤務(各月160時間ずつでも、繁閑調整も可)
- 481時間目以降が時間外労働として割増賃金対象
- 毎月60時間超の残業分は、50%割増
次は、導入企業の事例と実践ポイントについてご紹介します。
導入企業の事例と実践ポイント
フレックスタイム制を導入している企業は年々増加しています。ここでは実際の導入事例や現場での成功・失敗ポイントを紹介し、これから導入を検討する担当者のヒントとなる情報をまとめます。
- スーパーフレックスタイム制(コアタイムなし)を導入
- 勤怠管理システムで残業・有給なども一元管理
- チャットやオンライン会議で情報共有を徹底
- 従業員満足度・定着率が向上
- クライアント対応時間と勤務時間のミスマッチでトラブル発生
- 制度ルールが曖昧で残業計算ミス・管理負担増
- コミュニケーション不足による生産性低下
- 制度説明不足で従業員から不満の声
- 制度導入時は必ず社内説明会・Q&Aを実施し、従業員の疑問や不安を解消
- 勤怠管理システムの導入・活用でトラブルを未然防止
- チャット・Web会議等で定期的な情報共有・チーム連携を強化
- 業務内容に応じてコアタイムや運用方法を柔軟に設計
- トライアル導入や他制度(シフト制・時差出勤等)との組み合わせも検討
- 厚生労働省「就労条件総合調査」(2024年)によると、
導入企業の約70%が「従業員の定着率向上」や「多様な人材確保」に効果を実感 - 一方で「勤怠管理の負担増」を課題と感じる声も約20%
次は、フレックスタイム制に関するよくある質問(FAQ)を解説します。
【2025年版】フレックスタイム制に関するFAQ
フレックスタイム制について、よくある質問とその回答をまとめました。
制度運用時の疑問・トラブル防止にお役立てください。
- Q1. コアタイムなし(スーパーフレックス)は違法ではない?
- A. 違法ではありません。コアタイムの設定は必須ではなく、全時間帯をフレキシブルタイムとする「スーパーフレックスタイム制」も労働基準法で認められています。
ただし、就業規則や労使協定でしっかり制度を明記することが重要です。 - Q2. フレックスタイム制と時差出勤制度の違いは?
- A. 時差出勤は「始業・終業時刻の選択肢が複数ある」だけで、1日の労働時間は原則固定です。
フレックスタイム制は清算期間内で出退勤も労働時間も自己調整できる点が大きく異なります。 - Q3. 清算期間が3か月の場合、残業代はどう計算する?
- A. 3か月で定めた総労働時間(例:480時間)を超えた場合、その超過分が残業扱い(時間外労働)となります。
月60時間を超える時間外労働分には割増率50%が適用されます。 - Q4. フレックスタイム制と他の柔軟な働き方は組み合わせできる?
- A. 可能です。近年はリモートワークや時短勤務、副業・兼業などと組み合わせて運用する企業も増えています。
組み合わせる際は、勤怠管理や労務トラブル防止のルール策定が不可欠です。 - Q5. 制度導入後によくあるトラブルや注意点は?
- A. 「勤怠管理のミス」「残業計算の誤り」「社内コミュニケーション不足」などが代表例です。
勤怠システム導入・ルールの周知・相談窓口の設置で未然防止を心がけましょう。
最後に、制度導入のまとめとポイントを解説します。
まとめ|フレックスタイム制を活用し多様な働き方を実現するために
フレックスタイム制は、2025年の働き方改革を象徴する重要な制度です。
適切な設計・運用を行うことで、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらします。
- 自社の業務内容や人材構成に合った制度設計を行う
- 就業規則・労使協定・運用ルールの明確化・周知を徹底する
- 勤怠管理システムやコミュニケーションツールを活用し、トラブルを防止
- 現場の声や課題に耳を傾け、運用後も柔軟に改善を
- 働き方の選択肢を広げることで、企業の競争力と従業員満足度が向上
多様な働き方を実現し、貴社の人材戦略を強化するためにも、ぜひフレックスタイム制の導入をご検討ください。
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