【社員インタビュー】「何もない日常」を守る、警備の仕事。
掲載日:2026年6月26日
日警保安グループは、商業施設・オフィスビル・マンションなど、さまざまな施設の安全を守る警備サービスを提供しています。
警備の仕事というと、「建物の前に立っている仕事」「トラブルが起きた時に対応する仕事」というイメージを持たれることがあります。
しかし実際には、その仕事の中心にあるのは、もっと日常に近いものです。
困っている方に声をかける。
いつもと違う小さな変化に気づく。
施設を利用する方が、今日も安心して過ごせるように見守る。
今回お話を伺ったのは、日警保安グループ 業務部 施設警備課の中村勝利さん。
入社から23年。商業施設やマンション警備の現場を経験し、現在は本部業務と現場隊長を兼任しています。
現場の最前線で培ってきた知識と経験。
本部として隊員を支える視点。
そして、取材中に何度も語られた「ありがとうと言ってもらえる仕事」という言葉。
中村さんのお話からは、警備という仕事の奥深さと、日警保安グループが大切にする“人に寄り添う警備”の姿が見えてきました。
Q1. 現在のお仕事内容を教えてください。
現在は、日警保安グループの業務部 施設警備課に所属しています。
施設警備課の仕事は、ひと言で言えば、各現場の警備品質を高めていくことです。現場で働く隊員の知識や技術を底上げしたり、現場で困っていることに対応したりしています。
ただ、私は本部業務だけをしているわけではありません。今も現場の隊長を兼任しています。いわゆる二刀流のような形です。
現場隊長としては、自分が担当する現場を守る責任があります。現在、私が管理している隊は17名ほどで、当社の中でも比較的大きな規模になります。小さな隊であれば2〜3名のところもありますし、平均すると5〜6名ほどの隊が多いので、17名というのはなかなか大きな単位です。
隊長の仕事だけでも、決して簡単ではありません。日々のシフト、引き継ぎ、隊員への共有、現場で起きるさまざまな出来事への対応。現場は常に動いています。
一方で、本部の立場になると、自分の現場だけを見ていればいいわけではありません。全社的な視点で、さまざまな現場の問題点に向き合っていく必要があります。
現場には現場の大変さがあります。
本部には本部の責任があります。
その両方を同時に見ているので、正直、自分でも「今はどちらに重きを置いているのだろう」と感じることもあります。
でも、現場を知っているからこそ、本部としてできることがあると思っています。現場を知らないまま理想論だけを伝えるのではなく、実際に働く隊員の不安や困りごとを分かったうえで支える。
現場の空気を知っている本部の人間であること。
それが、今の自分の役割なのかなと思っています。
Q2. 施設警備とは、具体的にどのような仕事ですか?
施設警備は、商業施設、オフィスビル、マンションなどで、利用者や建物の安全を守る仕事です。
対象となる施設はさまざまです。イオンさんやイトーヨーカドーさんのような大きなショッピングセンターもありますし、大企業のオフィスビルもあります。警備員が常駐するようなマンションの場合は、比較的高級なマンションをイメージしていただくと分かりやすいと思います。
主な業務は、出入管理、巡回、防災センターでの監視業務です。
出入管理とは、人の出入りを確認する仕事です。マンションであれば、来訪者の方に記帳していただき、どこのお部屋に行かれるのかを確認します。誰が、どこへ、何の目的で入っていくのかを把握することは、施設の安全を守るうえでとても大切です。
巡回では、施設の中や外を実際に歩いて確認します。不審なものがないか、設備に異常がないか、利用者が困っていないか。商業施設であれば、万引きやいたずらの抑止、防止につながることもあります。
防災センターでは、カメラを確認しながら施設内の安全を見守ります。施設によっては、何百台ものカメラを確認することもあります。
また、施設警備では、火災、地震、災害、不審者対応、急病人対応など、万が一の時の一次対応も求められます。警察や消防に引き継ぐまでの間、現場で最初に動くのが警備員であることも少なくありません。
ただ、日々の仕事は“緊急対応”ばかりではありません。
落とし物を預かる。
お店の場所を案内する。
開店や閉店に関わる作業を行う。
エレベーターやエスカレーターの稼働を確認する。
困っているお客様に声をかける。
商業施設であれば、警備の仕事は本当に幅広いです。レジを打つ以外の、お客様対応の多くに関わっていると言ってもよいかもしれません。
警備というと、ただ立っている仕事だと思われることもあります。
でも実際には、施設全体が安全に動くように支える仕事です。
施設を利用するすべての方が、安全に、安心して、快適に過ごせるようにする。
それが、私たち施設警備の仕事です。
Q3. 警備の仕事を始めたきっかけを教えてください。
入社したのは27歳の時です。今年で23年目になります。
もともと、警備の仕事をやりたいと思っていたわけではありません。前職は小売店での接客業でした。ブックオフで働いていたこともありますし、新しい店舗の立ち上げに関わるような仕事もしていました。
その後、仕事を探していた時期に、日警保安にいた知人から声をかけてもらいました。
「とりあえず警備でもやってみれば」
本当に、そんな感じでした。
私自身も、最初はかなり軽い気持ちで入社しました。
でも、入ってみると警備の仕事は想像以上に奥が深い仕事でした。
最初に配属されたのは、新しくオープンする商業施設です。オープニングスタッフとして入ったので、警備員もみんな同じタイミングで集まりました。
普通なら、すでに現場にいる先輩たちに教わりながら仕事を覚えていくのかもしれません。でも私の場合は、全員がほぼ同じスタートでした。先輩・後輩というより、みんなで一緒に現場を作り上げていく雰囲気がありました。
右も左も分からない状態でしたが、それが逆に良かったのかもしれません。
新しい施設を、自分たちで守っていく。
新しい現場のルールや動きを、自分たちで作っていく。
そういう感覚があって、毎日がとても充実していました。仕事を覚える大変さもありましたが、それ以上に、現場が少しずつ形になっていく面白さがありました。
最初は軽い気持ちで始めた仕事でしたが、気づけば23年です。
長く続けようと思って入ったわけではありません。
でも、現場での経験、人との関わり、学ぶ面白さが重なって、ここまで続いてきたのだと思います。
Q4. 警備の仕事に本気で向き合うようになった転機はありますか?
大きな転機になったのは、警備の資格取得です。
施設警備には、施設警備業務検定という国家資格があります。会社から「枠が取れたので、中村さん受けてください」と言われて、最初は軽い気持ちで研修に行きました。
ところが、実際に受けてみると、研修が想像以上に厳しかったんです。
これはちゃんと勉強しないと受からない。
本気でやらないといけない。
そう思いました。
そこから、しっかり勉強を始めました。すると、警備に必要な知識や技術を学ぶことが、だんだん面白くなっていったんです。
火災が起きた時にどう動くのか。
地震の時にどう誘導するのか。
防災設備はどう使うのか。
人を安全に誘導するには何に気をつけるのか。
現場で何かが起きた時、警備員としてどう判断するのか。
学べば学ぶほど、現場で活かせることが増えていきました。
それまでは、目の前の仕事を覚えることで精一杯でした。でも、資格の勉強を通じて、警備という仕事には専門的な知識と技術が必要なのだと実感しました。
警備は、ただ制服を着て立っている仕事ではありません。
人の安全を守るために、学び続ける仕事です。
この資格取得が、私にとって警備の仕事に本気で向き合うきっかけになりました。
そして、現場での経験も自分を変えてくれました。
これまで、急病人対応や災害時の避難誘導など、さまざまな場面に立ち会ってきました。もちろん、毎日大きな出来事が起きるわけではありません。でも、いざという時に最初に動く立場になることがあります。
実際に大きな地震を経験した時も、施設内は大きく揺れ、お客様も不安な様子でした。天井のパネルが落ちたり、水が漏れたり、エスカレーターやエレベーターが止まったりする中で、まずは落ち着いてもらうことが大切でした。
その時は、お客様に買い物かごを頭にかぶっていただき、頭を守ってもらうようにしました。決まった対応ではなく、その場で「頭を守るものが必要だ」と判断した結果です。
車椅子の方を避難させる必要もありました。
その時その時で、現場で判断しなければいけないことがあります。
そうした経験を通じて、少しずつ度胸もつきました。今では、街中で困っている人や体調が悪そうな人がいれば、自然と声をかけられるようになりました。
仕事で身につけた知識や技術は、現場だけでなく、自分の生活にも活きています。
そこも、この仕事の大きな価値だと思います。
Q5. 現場で大切にしていることは何ですか?
私が現場で大切にしているのは、「いつもと違う小さな変化に気づくこと」です。
警備の仕事は、間違い探しに近いと思っています。
間違い探しをするには、まず正解の絵を知っていないといけません。施設警備も同じです。自分の担当する施設の“正常な状態”を頭に入れておく必要があります。
いつもはここに物がないのに、今日は置かれている。
いつもはきれいなタイルが、今日は少し浮いている。
いつもは停まっていない車が停まっている。
いつもと違う音がする。
いつもと違う人の流れがある。
そうした小さな違いに気づくことが、大きな事故やトラブルを防ぐことにつながります。
たとえば、タイルが一枚浮いているだけでも、足の悪い方や小さなお子様にとっては危険になるかもしれません。私たちにとっては何でもない小さな段差でも、誰かにとっては転倒につながる可能性があります。
小石ひとつでも同じです。
自分なら軽くよけられるかもしれません。でも、高齢の方や車椅子の方、小さなお子様にとっては危険になることがあります。
施設を利用する方は、全員が健康な大人とは限りません。
足の悪い方もいます。
小さなお子様を連れた方もいます。
年配の方もいます。
車椅子の方もいます。
そうしたすべての方が、安全に、楽しく、快適に過ごせる環境をつくる。
そのために、小さな違和感を見逃さないことを大切にしています。
警備の仕事で大事なのは、何かが起きてから対応することだけではありません。
何かが起きる前に気づくことです。
そして、何も起きなかった一日をつくることです。
「今日は何もなかったね」
それは、何もしなかったという意味ではありません。
私たちがきちんと見て、気づいて、必要な対応をしていたから、何も起きなかったのだと思っています。
何もない日常を守る。
それが、私にとって警備の仕事の誇りです。
Q6. 日警保安グループの警備には、どのような特徴がありますか?
日警保安グループでは、「ホスピタリティ警備」を大切にしています。
警備員というと、屈強な人が制服を着て、怖い顔で立っているようなイメージを持つ方もいるかもしれません。もちろん、万が一の時に毅然と対応することは必要です。
でも、当社の警備はそれだけではありません。
優しさや思いやりを持って、人と接する警備。
接客力を大切にした警備。
それが、日警保安グループの警備だと思っています。
私はもともと接客業を経験していたので、この考え方はとても自分に合っていました。警備だけではなく、接客も大切にする。そこが日警保安グループらしさだと思います。
商業施設であれば、お客様からお店の場所を聞かれることがあります。
「このお店はどこですか」
「トイレはどこですか」
「落とし物をしたのですが」
そういったお問い合わせに対応する場面は多いです。
大きなショッピングモールであれば、200店舗ほど入っていることもあります。その中で、きちんと案内できるように、日頃から施設のことを覚えておく必要があります。
マンションであれば、来訪者様や居住者様に丁寧に対応します。誰が来たのか、どこへ行くのかを確認しながらも、威圧的にならず、安心感を持っていただける対応が大切です。
警備の仕事は、人と関わらない仕事だと思われることがあります。
でも、実際には人と関わる場面がとても多い仕事です。
現場で起きることのうち、大きなトラブル対応は全体の一部です。もちろん、起きた時にはしっかり対応しなければいけません。
ただ、日々の仕事の多くは、「ありがとう」と言っていただけるような場面です。
道案内をしただけでも、
落とし物を届けただけでも、
困っている方に声をかけただけでも、
「ありがとうございます」
「助かりました」
そう言っていただけることがあります。
人から感謝されたい方。
人と関わることが好きな方。
誰かの役に立つことにやりがいを感じる方。
そういう方には、日警保安グループの警備はとても合っていると思います。
警備は、怖い顔で立つ仕事ではありません。
困っている人に手を差し伸べる仕事です。
Q7. 新人教育では、どのようなことを大切にしていますか?
新人教育で大切にしているのは、不安を少しでも減らすことです。
警備の仕事には、日常生活ではあまり使わない知識や技術が必要です。防災設備の使い方、出入管理の流れ、巡回時の見方、緊急時の対応、護身に関する知識など、最初は分からないことばかりだと思います。
しかも、現場によって設備や機械が違います。
本社で研修を受けて、防災設備の使い方を覚えたとしても、実際に配属された現場でまったく同じ機械があるとは限りません。本社の機械は分かる。でも、現場に行ったら違う機械だった。そうなると、新人の方は不安になります。
だから私は、できるだけ現場に行って、その現場にある実際の設備を使いながら教えることを大切にしています。
火災や地震の時に作動させる設備。
防災センターにある機械。
現場ごとに違う操作や確認の流れ。
そうしたものを、実際の現場に即した形で教えるようにしています。
新人の方は、見たことのない施設に行き、見たことのない設備を前にして、最初は不安になると思います。周りにベテランが多いと、質問しづらいと感じることもあるかもしれません。
でも、制服を着て現場に立つ以上、施設を利用する方からは頼られる存在になります。
「分かりません」では済まない場面もあります。
だからこそ、分からないまま現場に出さないことが大切です。
もちろん、最初から全部できる必要はありません。
大切なのは、少しずつ覚えて、自信をつけていくことです。
私自身も、最初は何も分からないところから始まりました。だから、新人の方の不安はよく分かります。
不安を減らすこと。
質問しやすい空気をつくること。
現場で困らないように準備すること。
楽しく仕事ができるように支えること。
それが、教育に関わる立場として、私が大切にしていることです。
日警保安グループは、研修にも力を入れています。
施設を利用するお客様や取引先様に信頼される警備員になるために、知識や技術だけでなく、接客や対応力も身につけていきます。
警備の仕事が初めての方でも、安心して成長できる環境をつくっていきたいと思っています。
Q8. これから入社する方へ、メッセージをお願いします。
警備の仕事は、現場の最前線で「ありがとう」と言ってもらえる仕事です。
人から感謝されたい方。
人と関わることが好きな方。
困っている人を助けたいと思える方。
そういう方には、とても向いている仕事だと思います。
警備の仕事というと、人とあまり関わらない仕事だと思う方もいるかもしれません。どちらかというと、一人で黙々と働く仕事というイメージを持たれることもあります。
でも、日警保安グループの警備は違います。
接客が好きな方。
人に声をかけることができる方。
相手の立場で考えられる方。
そういう方が活躍できる仕事です。
もちろん、入社後に覚えることはあります。防災設備のこと、巡回のこと、出入管理のこと、緊急時の対応など、少しずつ学んでいく必要があります。
でも、最初から難しい知識や技術が必要なわけではありません。
一番大切なのは、人に対する優しさや思いやりです。
困っている人に声をかける。
相手の立場で考える。
安全に過ごしてもらうために、小さな違和感に気づく。
そうした気持ちがあれば、この仕事はきっと続けていけます。
私自身、もともとは人見知りで、一人で過ごす方が好きなタイプでした。でも、警備の仕事を続ける中で、人と話すことが増えました。困っている人がいれば声をかけるようになりました。今では、仕事以外の場面でも、何かあれば自然と動けるようになったと思います。
この仕事は、自分自身も変えてくれる仕事です。
人から頼られる経験。
感謝される経験。
万が一の時に動ける知識や技術。
それは、仕事だけでなく、自分の人生にも活きるものだと思います。
ちなみに、休日はロードバイクに乗っています。千葉の自宅から筑波山まで行って、山を登って帰ってくることもあります。一日で200キロほど走ることもあります。
登っている時は、本当にきついです。
「なんでこんなことをしているんだろう」と思うこともあります。
でも、登り切った後の達成感や、下る時の気持ちよさが楽しいんです。
警備の仕事も、少し似ているところがあるかもしれません。
大変なこともあります。
覚えることもあります。
責任もあります。
でも、その先に「ありがとう」と言ってもらえる瞬間があります。
自分が誰かの役に立てたと感じられる瞬間があります。
警備は、ただ立っている仕事ではありません。
人の安全を守り、安心をつくり、何もない日常を支える仕事です。
「ありがとう」と言われる仕事がしたい方に、ぜひ来ていただきたいですね。
取材を通して
中村さんのお話から伝わってきたのは、警備という仕事の奥深さと、人柄の温かさでした。
現場で起きることを、ただ業務として語るのではなく、「誰かが安心して過ごせるように」「困っている人に手を差し伸べられるように」という言葉で話されていたことが印象的でした。
施設警備は、トラブルが起きた時に対応するだけの仕事ではありません。
日々の小さな違和感に気づき、事故を未然に防ぎ、利用者が安心して過ごせる環境をつくる仕事です。
そして、何も起きない一日を守る仕事です。
日警保安グループが大切にしている「ホスピタリティ警備」は、警備の専門性に加えて、人への思いやりや接客力を大切にする考え方です。
人と関わることが好きな方。
誰かの役に立ちたい方。
自分の仕事に誇りを持ちたい方。
そうした方にとって、日警保安グループの警備は、大きなやりがいを感じられる仕事だと感じました。
現場を知り、本部として教育にも携わる中村さんの存在は、これから入社する方にとって大きな安心につながるはずです。
取材/(株)アド・イーグル
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