【社長インタビュー】線路を守り、人を育て、未来をつくる。共新建設株式会社
掲載日:2026年8月7日
共新建設株式会社は、京成電鉄の路線を中心に、レール交換や踏切工事、枕木の交換、線路の新設・修繕など、さまざまな鉄道工事を行っている会社です。
通勤や通学、旅行などで多くの人が利用する鉄道。その線路を安全な状態に保ち、電車が毎日当たり前に走る環境を支えています。
今回お話を伺ったのは、共新建設株式会社の代表取締役・山本元気さんです。
18歳で大阪から上京し、共新建設へ入社。一度は会社を離れて東北地方を巡る旅に出ましたが、改めて鉄道工事の仕事で生きていくことを決意しました。
その後、現場で経験を重ね、39歳で代表取締役に就任。現在は、共新建設が長年大切にしてきた仕事の品質を受け継ぎながら、若手の採用・育成、社員寮の改築、働き方の見直しなど、新しい会社づくりに取り組んでいます。
鉄道工事の仕事、若手時代の経験、社員に対する思い、そして、これから実現したい会社の姿について伺いました。
Q1.共新建設は、どのような仕事をしている会社ですか?
共新建設は、線路を新しくつくったり、古くなった線路を直したりしている会社です。
レールや枕木の交換、踏切の修繕、線路の下に敷かれている砕石の整備など、京成電鉄の路線を中心に、いろいろな鉄道工事を行っています。
鉄道は、通勤や通学、旅行など、多くの方が毎日利用するものです。京成電鉄は空港にもつながっているので、日本の方だけでなく、海外から来られた方もたくさん利用されています。
電車が遅れず、安全に走っていることは、利用する方にとっては当たり前のことだと思います。
その当たり前を、線路の下から支えているのが私たちの仕事です。
特に夜間工事では、終電が通過してから始発が走り出すまでの短い時間で作業を終わらせなければなりません。
限られた時間の中で工事を終わらせて、朝には何事もなかったように電車が走る。その責任は大きいですが、社会に必要とされていることを実感できる仕事でもあります。
Q2.山本社長が鉄道工事の仕事を始めたきっかけを教えてください。
僕が共新建設に入ったのは18歳のときです。
当時は大阪に住んでいて、特に将来のことを考えるでもなく、アルバイトをしながら毎日を過ごしていました。
そのとき、共新建設で職長をしていた叔父から、「大阪で遊んでいるなら、こっちに来て働いてみないか」と声をかけてもらったんです。
それで大阪からこちらに来て、会社の寮に住みながら働き始めました。
ただ、21歳頃に一度、この仕事を続けるか迷った時期があります。
鉄道工事は昼間の作業だけでなく、夜間作業もあります。この先ずっと、この生活を続けるのかなと考えて、一度会社を離れました。
その後は、8カ月くらい一人で東北を回りました。行った先で少し働きながらお金を稼いで、また次の場所へ行くような旅です。いわゆる自分探しですね。
その間も、当時の社長や専務から「うちで続けていかないか」と声をかけてもらっていました。
旅をして、いろいろな場所を見たうえで、最後は「ここで腹をくくってやろう」と決めました。
最初から鉄道工事一筋で生きていくと決めていたわけではありません。一度離れたからこそ、自分でこの仕事を選び直すことができたのだと思います。
Q3.現場一筋だった山本さんが、社長になった経緯を教えてください。
先代の社長が病気で急に亡くなったことがきっかけです。
以前から、将来的には僕に会社を任せたいという話はいただいていました。ただ、僕はずっと現場の仕事しかしてこなかったので、経営については本当に何も分かりませんでした。
現場のことなら分かりますが、事務や経理、お金の管理については全くの素人です。
そんなとき、会社の事務を担当していた小澤から、「山本さんが社長を引き受けるなら、私が事務の面を全力で支えます」と言ってもらいました。
それなら、小澤に教えてもらいながら、自分も一から勉強してやっていこうと決めました。
39歳で社長になり、現在は4年目です。
社長になって大きく変わったのは、仕事を数字で見るようになったことです。
現場にいた頃は、目の前の工事を安全に終わらせることに必死でした。社長になると、工事の売上、人件費、経費、会社に残る利益まで、すべて見えるようになります。
例えば、10日かかる予定だった工事を9日、8日で終わらせることができれば、その分を会社や社員に還元できます。
現場にいた頃は、「人数を増やして、一人ひとりが楽に作業できた方がいい」と思うこともありました。今は、人数や日数を工夫して生まれた利益を、どう社員に返していくかまで考えます。
大変ではありますが、社員が頑張った結果を待遇や環境に還元できることは、社長になって感じる新しいやりがいです。
Q4.共新建設が、昔から変えずに守っているものは何ですか?
共新建設が昔から大切にしているのは、仕事をきれいに仕上げることです。
僕が18歳で入社した頃から、「共新建設がやった仕事はきれいだ」と、元請会社や同業の方から言っていただいていました。
線路を直すだけでなく、周りの草を抜いたり、線路の下にある砕石をきれいに整えたりします。
直接お金になる作業ではなくても、少し手間をかければ、見た目も乗り心地も良くなる。そういう部分には、きちんと人と時間をかけていいと社員にも伝えています。
「共新の仕事はきれいだ」と言ってもらえるのは、これまでの先輩たちが積み重ねてきたものです。
ここは絶対に変えてはいけない、共新建設の強みだと思っています。
長くこの仕事をしていると、電車が走る音でも線路の状態が分かるようになります。
レールのつなぎ目や、線路の下にある砕石の状態が悪くなると、電車が通過するときの揺れが大きくなり、「ガタンゴトン」という音も大きくなります。
反対に、きれいに直すと音が静かになります。
私生活で踏切の近くを通ったときにも、音を聞いて「そろそろ、この辺りは保全工事の依頼が来るかもしれないな」と感じることがあります。
一般の方にとっては普段何げなく聞いている電車の音ですが、僕たちにとっては、線路の状態を教えてくれる音でもあるんです。
Q5.社長になってから、変えようとしていることはありますか?
採用と若手の育成には、特に力を入れています。
以前の共新建設は、今いる社員で対応できる範囲の仕事を受けるという考え方が強かったと思います。
今は、必要に応じて協力会社にもお願いしながら、さまざまな工事を受注し、若手社員にいろいろな経験を積ませたいと考えています。
守りに入るのではなく、少し攻めていく会社にしたいんです。
鉄道工事自体がなくなることはないと思います。ただ、「昔から仕事がきれいだから」という理由だけで、ずっと仕事を任せてもらえるとは限りません。
これからも必要とされる会社でいるためには、社員を増やし、扱える機材や工事の種類を増やし、会社としてできることを広げていかなければなりません。
台風や地震などで線路に異常が起きたときにも、協力会社の人が集まるのを待つのではなく、「共新建設なら自社の社員がすぐに10人向かえます」と言える会社にしたいと思っています。
それが鉄道会社からの信頼につながり、会社や社員の将来を守ることにもつながると考えています。
Q6.昔の建設業界で感じたことが、現在の会社づくりに影響していますか?
かなり影響しています。
僕が18歳で入った頃の建設業界は、今よりも上下関係が厳しくて、普通に怒鳴られるような環境でした。
若手が意見を言っても、「何年やっているんだ」「若造が何を言っているんだ」と聞いてもらえないこともありました。
当時の僕は、ずっと「このままの業界では、若い人は来なくなる」と思っていました。
自分が上の立場になったら、同じことはしない。昔から、そう考えていました。
もちろん、鉄道工事では厳しく注意しなければならない場面があります。
電車が走っている線路の近くで危険な動きをしたり、重機が動いている範囲に入ったりすれば、命に関わります。そのときは大きな声で止めなければなりません。
ただ、安全とは関係のないところで怒鳴ったり、若手の意見を否定したりする必要はありません。
安全に対する厳しさと、人に対する接し方は別のものだと思っています。
現在は、若手社員も全体ミーティングで意見を出してくれるようになりました。
職長が頭ごなしに否定するのではなく、若手の意見も聞き、新しい方法に良いところがあれば取り入れる。
昔からのやり方だけにこだわらず、下の世代が働きやすい会社に変えていきたいと思っています。
社員が生活する環境についても、改善を進めています。
最近では社員寮の改築を行うなど、遠方から入社する方や、初めて一人暮らしをする方でも働き始めやすい環境を整えています。
夏場には会社でクーラーボックスや飲み物を用意するなど、自分が若手の頃に「会社が用意してくれたらいいのに」と感じていたことを、少しずつ形にしています。
Q7.未経験者は、どのように仕事を覚えていくのでしょうか?
鉄道の夜間工事は、終電から始発までの限られた時間で行います。
現場に入ってから、先輩が一つひとつゆっくり教える時間は、なかなか取れません。
そこで共新建設では、元請会社に場所を借り、昼間に踏切工事などの講習を行っています。
経験のある職長が先生になり、若手社員が実際に道具や材料に触れながら練習します。
その後、夜間工事の前に役割や作業内容を打ち合わせて、昼間に練習したことを現場で実践してもらいます。
入社から1年ほどで、主な仕事を一通り経験できます。
2年ほど経つと、自分で考えて動ける範囲が広がり、3年ほどで職長を支える準責任者を目指せます。必要な経験と資格を積めば、5年ほどで現場責任者を目指すこともできます。
成長が早いのは、好奇心がある人です。
「この仕事をやってみたい」
「この道具を使ってみたい」
「レールを切る作業に挑戦してみたい」
そうやって、自分から手を挙げられる人は覚えるのが早いと思います。
最初から上手にできる必要はありません。若手が作業した後は、職長がきちんと確認します。
失敗したからといって、その人だけの責任にすることもありません。
まず自分で手をかけて、やってみることが大切です。
本人が「やりたい」と言ってくれたことには、できるだけ挑戦させてあげたいと思っています。
Q8.10年後、共新建設をどのような会社にしたいですか?
10年後は、社員が自分に合った働き方を選べる会社にしたいです。
鉄道工事には、昼間の仕事と夜間の仕事があります。
家庭の事情などで昼間を中心に働きたい人もいれば、昼も夜も働いて、しっかり稼ぎたい人もいると思います。
今後は、会社の規模を大きくし、仕事の種類を増やすことで、そうした希望にも応えられるようにしたいです。
特に、女性も活躍できる会社にしていきたいと考えています。
現場にはいろいろな役割があり、全員が同じ力仕事をするわけではありません。男性も女性も、それぞれができる仕事を担当しながら、一緒に鉄道を支える会社にしたいです。
社員数としては、10年後に70人くらいを目指しています。
京成電鉄の仕事だけでなく、さまざまな鉄道路線の工事に携わり、自社で重機を扱い、いろいろな工事に対応できる会社にしていきたいです。
そして、元請会社から「共新建設がいないと困る」と言っていただける会社になりたいと思っています。
仕事がきれいで、何かあればすぐに駆けつけられる。それだけではなく、「共新建設は会社の雰囲気もいい」と思っていただきたいです。
社員一人ひとりが、自分たちの会社だと思って安全に取り組み、みんなで稼ぎ、その成果を社員に還元していく。
そんな会社をつくっていきたいですね。
将来的に自社ビルを持つことも、僕の夢の一つです。
Q10.これから、共新建設をどのような会社にしていきたいですか?
これからは、社員が自分に合った働き方を選べる会社にしていきたいです。
鉄道工事には昼間の仕事と夜間の仕事があります。家庭の事情などで昼を中心に働きたい人もいれば、昼も夜も働いて、しっかり稼ぎたい人もいると思います。
会社の規模を大きくして、仕事の種類を増やしていくことで、そうした一人ひとりの希望にも応えられる会社にしたいですね。
女性にももっと活躍してもらいたいですし、京成電鉄だけでなく、さまざまな鉄道路線の工事に携わって、自社でできることを増やしていきたいです。
目標としては、10年後に社員70人くらいの会社にしたいと思っています。
そして元請会社から、「共新建設がいないと困る」と言っていただける会社になりたいです。仕事がきれいで、何かあればすぐに動ける。それだけではなく、「共新建設は会社の雰囲気もいい」と思ってもらえる会社にしたいですね。
社員一人ひとりが、自分たちの会社だと思って安全に取り組み、みんなで稼いで、その成果を社員に還元していく。そんな会社をつくっていきたいと思っています。
さらに、もっと先の未来の話をすると、共新建設は世襲で会社を引き継いでいく会社ではありません。
僕自身、会社に入ったきっかけは叔父に誘ってもらったことですが、その叔父も経営者ではなく、共新建設で働く一人の社員でした。僕も18歳で一社員として入社して、現場で仕事を覚え、経験を積んで、今この立場にいます。
だから、次の世代も同じでいいと思っています。
今いる社員や、これから入ってくる社員の中から、「この会社をもっと良くしたい」「自分が次の共新建設をつくりたい」という人が育って、その人に会社を引き継いでいけたら、それが一番いい。
これから入社する人にも、単に「ここで働く」というだけではなく、そのくらい先の未来まで見てもらえる会社にしていきたいですね。
僕自身も一社員からここまで来ました。次に会社をつくっていくのは、今いる社員かもしれないし、これから入ってくる人かもしれません。
そんな未来も含めて、一緒に頑張っていけたらと思っています。
(取材・撮影/株式会社アド・イーグル)
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アド・イーグルってなんの会社?
株式会社アド・イーグルは、株式会社リクルートホールディングスのトップパートナーとして様々なメディアを取り扱っている総合広告代理店です。リクナビNEXT・タウンワークなどの求人メディアやAirワークなどの企業HPのサービスやindeedなどの求人情報検索サイトを活用して各企業の課題に合わせた採用活動を提案・支援しています。
企業情報
企業名:共新建設株式会社
所在地:〒125-0062 東京都葛飾区青戸3丁目22−14
代表者:山本 元気
事業内容:鉄道軌道工事請負・土木工事請負
電話番号:03-5629-6509
